山行記録

山行3日目

空は雲に覆われており、星を眺めることは難しい。

2時30分、まだ寒い小屋の中で目が覚める。

本日は北岳に登り、下るというこの長期山行の集大成ともいえる一日。

魔法のことば「最終日」を胸に掲げ、本日の大成功を祈るばかりである。

 

風が吹き荒れる中、丁寧に溶かしたチーズフォンデュをいただく。

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とろけるチーズに絡み合うパン、スライス餅もチーズにかかればごちそうである。

食事係が苦心して購入したチーズの味は最高だった。

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(あまりのおいしさになべ底も光を放つ)

前日隠していたプリン(通称 托卵プリン)はというと・・・

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はい、しっかり固まっております!

朝から糖分を取り入れたら準備は完璧、いざ日が昇る前の北岳へと挑む。

 

4時20分、出発。

あれ?足がかる~い!これが高山トレーニングってやつなのね!

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※サブザック

 

東の方から空が明るくなってゆく。

太陽と月が同時に見える。

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そして

ついに

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「「「「「「山頂だーい!!!」」」」」」

なんという達成感、なんという爽快感。

3000Mはだてではない。

 

5時13分、待ちに待ったご来光がくる。

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今までの悪天候が嘘のように天気が良い。

山の西側には北岳の影が鋭く映る。

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これが本当の長期登山である!

他の自親会員の顔も山頂での景色の良さにほほが緩んでいる。

ついでに理性の束縛も緩んでいるようだ。

山頂で撮られた様々な写真を見ていただきたい。

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(みんな加藤のポーズをするB5)

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(OP感ただようB6)

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(とんで跳ねてと元気なB7)

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(部長だってはしゃいじゃう)

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(モチーフはライオンキング、構図は自殺防止)

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(誰も得をしない後藤のアングル)

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 (ちなみに高橋はここらへんでカメラを落としレンズに傷がついた)

この雲量、この日差し、このメンバー。

どれを除いても欠けてしまうような、そんな北岳であった。

この景色を見れただけでも、長期登山にきて良かった。

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30分ほど山の頂を楽しみ、北岳を後にする。

下りはサクサクすすみましょ。長期山行恒例のSL体験会を行いつつ下山する。

さーて最初のSLは?

・大田原 悪女になる

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・丸子 さすが経験者

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・小形の自撮り上手

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の三本で~す。

 

6時35分SLを大田原ちゃん、CLをしーちゃんに据え、

新生TEAM MASANORIが誕生した。

さすが大田原ちゃん、後ろのメンバーもしっかり見守りつつ歩を進める。

 

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大田原「これを下るのかーうわー」

さっそく意気消沈していた、褒めたのに。

SLとしての役目はしっかりと果たしていたのでOKです。

 

SLを丸子に交代し、休憩を適度に挟みつつ、すいすい山を下る。

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あざみの棘に刺されようとも、うわ~やられた~としーちゃんは楽しげだ。

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(怒りの感情を持ち合わせていないのだろうか)

そうはいっても疲れは溜まるもの。

小形の膝の痛みは決して成長痛ではない。

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北岳を下り始めて早4時間半、初日の宿泊地でもある白根御池小屋に着く。

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ここでSL小室の歩荷が登場!

ボロボロになってしまったが味はお墨付きのメロンパンである。

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ここでの炭水化物はありがたい。

自分は小屋でアイスを購入、貴重な餌付け体験も楽しむことができた。

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(誰得三銃士)

三銃士の一人、高橋は嬉しそうに升を買っていた。

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(例年買う人が後を絶たない) 

20分の休憩で英気を養ったTEAM MASANORI、SLに小形を添え再出発。

あと残すは広河原までの道のりのみである。

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やはり北岳は日本屈指の有名な山とだけあって、すれ違う人には海外からいらした方も多い。

後ろからトレイルランを楽しむ外国人の影が。

 

江頭「しーちゃん、英語で先に行ってってなに?」

颯爽と駆け抜ける外国人「アリガト ゴザイマス」

うーんジェントルマンですこと!

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下るだけとは言いつつもやはり長いことは長い。

小形の「まぁ19年間のなかでは瞬きのようなものですよね」

の素敵なセリフも気休め以上の意味を持たない。

小形のテンションは下がる一方である。

あざみに寛容なしーちゃんも無言で転び続ける。

そんななか大田原ちゃんが

「おっと~」

と小声でフリをふってきたぞ!

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一同 「「「「「いやいやそんなはず無いデショ」」」」」

一同 「「「「「あれは屋根とかじゃないって」」」」」

一同 「「「「「屋根だ~~~~」」」」」

そう、広河原山荘である。

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(顔は厳しいが心は笑っている)

 

しかしバス出発まであと16分。

残された距離は広河原山荘からバスターミナルまでの距離のみ。

これは急ぐしかない!!!

おざなりにされる広河原山荘。

すまんな広河原山荘。

また逢う日まで広河原山荘!

 

感動的な別れを告げた30分後には広河原山荘でご飯を頂いていた。

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今回の山行のコンセプトは久世ちゃん曰く、昨年の反省を活かし「無理はしない」。

脱力系山行、広河原で2時間待つ予定だ。

 

下りきった達成感と疲労とで食事中はぽけ~っとしている。

ぼけ~っとしながらも反省会を行い、ぼけ~としたままバスに乗る。

ほとんどの自親会員がバスで眠りについた。

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目を覚ませばそこは甲府駅、懐かしのベースキャンプである。

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(もはや甲府駅構内に親しみすら覚える)

下界に降りてきてまずは人間に戻らなくては。

下界の人々の目を忍びつつ、温泉に直行。

あぁ。文明万歳。

温泉に入り無事人間に戻った自親会員一行。

B5勢は健生のスマホ復旧作戦に従事する。

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あらかじめ調べておいた家電専門店。

塚原は変換アダプタの前に立ちすくんでいた。

変換アダプタを前してになぜか買い渋る。

どうしたのだろうか、おなか痛いのだろうか。

健生 「俺さ、これかったら変換機3つめなんだよね」

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思わず耳を疑った。

2017年度ポンコツダービー北岳杯、優勝はテモトオボツカナイーノ(通称:健生)に決定。

一年に一度のポンコツ生産祭。

今年もダークホースである部長がポンコツの名を関することとなった。

甲府も日が暮れ、街灯に明かりが灯される時刻。

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大人の時間の始まりである。

今年の長期も頑張った。では大いに祝おうではありませんか!

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やたら白湯やらソフドリやらが飛び交う飲み会であったと記憶している。

起床は早く、運動後。

少量のお酒でもめぐりが早いのなんの。

ちなみに私事であるが、長期登山3年目にして初めて長期終わりにお酒飲むことができた。

嬉しさの反面、もう若くはないと自認せざるを得ない。

 

さて、一次会でやられた自親会員達。

二次会はまさかのファミリーレストランで執り行う運びとなった。

今年はいろいろと一味違うのだ。

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(パフェだって食べちゃうもんね)

近年、というより僕が一年の時から、

長期の終わりには先輩に対してアルバム等を贈呈するのが恒例となりつつある。

しかし、今年は違った。

しーちゃん 「ほんっとに申し訳ないんですけど」

しーちゃん 「あんまり時間なくて、まだ写真とか全然なくて」

しーちゃん 「ほんとごめんなさい!また後で付け加えます!」

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俺は思ったね、確かにやりかねないと。

うーん残念ではあるけど、もらえるだけありがたいもの。

ありがとうってめっちゃしっかり書かれてるやないすか

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(喜びのあまり微振動する健生)

しーちゃんの演技力に本当に驚かされた。

あと貰えるとめっちゃ嬉しい。

本当に良いものをいただきました、ありがとう。

 

ではお返しにB5からの(心臓的に)サプライズプレゼントを。

そう、それは3000年の歴史を持ち、これを手にしたものは世界(部室)

のありとあらゆるものをおのがままにできるという最高の地位 

~BUCHOU~

前部長塚原はその力を最大限に利用し、

自身を中心とした一党独裁体制を作り上げてきた。

今年、その座を継ぐのは・・・

 

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しーちゃん!

 

とびっきり民主的である。

B5の話し合いの末決められた、B6の女性リーダー小室。

その人望をもって自親会をしっかりまとめ上げていただきたい。

 

ちなみにしーちゃんの最初の一言は

「たすけてくださいぃ」

であった。和気あいあいとすすむに違いない。

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これにて2017年度の長期登山は終了。

しーしゃんと部長に据えた、今後の自親会が楽しみである。

 

—おまけ—

・3日間通して地図を一枚しか用いていないことに気づく

・強靭な手を持つ丸子、手で餅をひっくり返す

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・余ったプリンをがむしゃらに食らう小形

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(がむしゃらさが伝わってくる)

・誰か「曇ってたら北岳低くするところだったわ」

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(年3mm伸びてるらしいしええやろ)

・江頭 「うわこけたわ」

 高橋 「分かるわそれ、朝日でもおれ うっ(ここで転ぶ)」

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・しーちゃん 「きたっきたっきたっきた~」

 競馬じゃないよ、電波だよ。

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・健生、うきうきで落ちていた地図を小形にプレゼント

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(初日の雪辱をはらす)

・お風呂でばてる小形、番頭さんに寝かしつけられる

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(熱中症的なやつらしい)

 

−編集後記−

今年の長期山行は天候により予定の変更を余儀なくされ、

必ずしも順調な山行とはいかなかった。

しかしそれを挽回する如く、北岳山頂から眺めた景色は

自身の自親会員としての集大成としてはとても満足のゆくものであった。

大学生活は思いのほか短い。

その3年間という月日を自親会に注ぎ込めたことは幸せであった。

社会に出たとしても、この景色や思い出を誇れる仲間ができたことを誇りたい。

三年間ありがとうございました。

最後に言わせてもらうとすれば、コブのあだ名、広がらなかったなぁ。

文責 江頭好平(コブ)

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☆バックナンバー

2015年度長期山行 TEAM AKARI へ

2016年度長期山行 TEAM YUICHIRO へ

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